炭酸固定を担うRubiscoの小サブユニット遺伝子はイネにおいて5つある.そのうちOsRbcS1は他の4つとアミノ酸配列が大きく異なり,光合成器官の葉身で発現しないことがわかった.このOsRbcS1を葉身で高発現する形質転換イネを作出したところ,Rubiscoの触媒速度,CO2に対するミカエリス定数が増加した.また,OsRbcS1は葉鞘における非光合成組織で発現しており,実際にRubiscoに組込まれていることがわかった.OsRbcS1が組込まれたRubiscoの酵素特性は,今後の高CO2環境で有利と考えられることからイネの光合成能力の改良に有効である.
|