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2012 年度 実施状況報告書

南米野生イネの洪水適応反応

研究課題

研究課題/領域番号 24580022
研究種目

基盤研究(C)

研究機関神戸大学

研究代表者

東 哲司  神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30231913)

研究分担者 平野 達也  名城大学, 農学部, 准教授 (30319313)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード該当しない
研究概要

南米野生イネOryza glumaepaturaとO. grandiglumisは部分的深水環境で浮稲性(節間伸長)を示し,O. grandiglumisは冠水環境で耐性を示す。これらの野生イネのゲノムおいて,O.sativa において浮稲性を付与する遺伝子SNORKEL1とSNORKEL2の存在をPCR法を用いて調査したところ,SNORKEL1遺伝子は共に検出さず,SNORKEL2遺伝子はO. glumaepaturaで検出された。さらに,O. sativaの冠水抵抗性に関わる遺伝子Sub1Aも両野生イネで検出されなかった。
O. glumaepaturaの節間伸長は,エチレンよりも低酸素環境により著しく促進されることが判明した。またこの低酸素により節間伸長の促進は,エチレンとは無関係に生じることを明らかにした。O. grandiglumisの節間伸長は,エチレンや低酸素処理により全く促進されず,低酸素はむしろ伸長を阻害することを見いだした。この野生イネの節間伸長は,高湿度環境だけで促進されることを発見した。以上により,深水環境が誘導する節間伸長反応において,O. glumaeparturaでは深水下での低酸素環境が最初のシグナルとなり,O.grandiglumisは深水下での高湿度環境が最初のシグナルとなっていることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究期間内に明らかにする予定の項目は,「①O. glumaepatulaとO. grandiglumisおいて,浮稲の深水下での節間伸長に関与する遺伝子SNORKEL1とSNORKEL2と,冠水耐性に関係する遺伝子Sub1Aの存在の有無を調査する。②両野生種において,部分的深水環境で茎の伸長を誘導する最初のシグナルを同定する。可能性のある因子として,低酸素環境,高湿度環境,水圧等の関与を調べる。③両野生種の深水での茎の伸長促進において,アブシジン酸含量の低下との相関を調べ,アブシジン酸とジベレリンにおける合成と分解の遺伝子の発現を調査する。④両野生種の深水下での伸長において,浸透調節の関与を調べる。⑤冠水で成長を停止するO. grandiglumis において,その反応を引き起こす環境のシグナルを同定する。」の5項目であった。その内で初年度に達成した項目は,①②⑤の3つの項目である。

今後の研究の推進方策

南米野生イネOryza glumaepaturaとO. grandiglumisのゲノムおいて,SNORKEL1遺伝子とSub1Aも両野生イネで検出されなかった。これらはPCR法を用いたため,より強く存在の有無を確認するために,DNAゲルブローティング(サザンブロッティング)を用いて調査する。
深水環境が誘導する節間伸長反応において,O. glumaeparturaでは深水下での低酸素環境が最初のシグナルとなり,O.grandiglumisは深水下での高湿度環境が最初のシグナルとなっていることを明らかにした。これらのシグナルが,生体内のアブシジン酸含量に変化を及ぼすのかどうかについて,生体内アブシジン酸含量とアブシジン合成・分解に関わる遺伝子の発現に及ぼす影響を調査する。

次年度の研究費の使用計画

研究に必要な設備は整っているので,研究費は消耗品と,成果発表と研究打合せのための旅費に使う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 南米野生イネOryza glumaepatulaとO. grandiglumisの洪水下での伸長反応におけるエチレンの関与2012

    • 著者名/発表者名
      置塩琢磨・東 哲司・伊藤一幸
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 発表場所
      東北大学仙台北キャンパス
    • 年月日
      20120910-20120911

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公開日: 2014-07-24  

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