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2013 年度 実施状況報告書

イネの窒素レベルに応答した転写因子DREBによる光合成の制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24580026
研究機関九州大学

研究代表者

斉藤 和幸  九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00215534)

キーワードイネ / 窒素 / Rubisco遺伝子 / 転写因子 / 転写制御 / 光合成
研究概要

大腸菌で生産させたOsDREB1Gタンパク質を用いてOsRBCS3遺伝子のプロモーターとのゲルシフトアッセイを行ったところ、バンドのシフトが認められた。この結果は、OsDREB1GがOsRBCS3遺伝子のプロモーターに直接作用していることを示している。OsRBCS3遺伝子のプロモーターにはOsDREB1Gタンパク質が結合すると予想されるDRE因子(塩基配列 5'-CCGAC-3')が二つ存在する。OsRBCS3遺伝子プロモーターの二つのDRE因子を5'-TTTTC-3'に置換するとOsDREB1Gタンパク質とのゲルシフトアッセイにおいてバンドのシフトが認められなくなった。しかし、一方のDRE因子のみを5'-TTTTC-3'に置換したOsRBCS3遺伝子のプロモーターではバンドのシフトが認められた。これらのことからOsDREB1Gタンパク質はOsRBCS3遺伝子のプロモーターに存在する二つのDRE因子のいずれにも結合することが示された。
次に、カリフラワーモザイクウィルス35Sプロモーターに緑色蛍光タンパク質とOsDREB1GのcDNAを連結したプラスミドを作成し、パーティクルガンを用いてタマネギ燐葉の表皮細胞へ導入した。緑色蛍光は細胞核からのみ検出され、OsDREB1Gタンパク質は転写因子として働くために必要な核移行能力を持つことが示された。
以上の結果より、OsDREB1GはOsRBCS3遺伝子のプロモーターに存在する二つのDRE因子に直接作用する転写因子であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

OsDREB1GはOsRBCS3遺伝子のプロモーターに存在する二つのDRE因子の両方に結合して直接作用していることが示されたことから、本年度の研究目的はおおむね達成できた。しかし、抗OsDREB1G抗体を用いたイムノアッセイにおいて、OsDREB1Gタンパク質を十分に検出できず、窒素によるOsDREB1Gレベルの変化を明確に示すことができなかったため。

今後の研究の推進方策

1. 核タンパク質の抽出法を検討し、イムノアッセイによるOsDREB1Gの検出感度を高め、窒素レベルに応答したOsDREB1Gのレベルの変化を明らかにする。
2. ユビキチン遺伝子のプロモーターとOsDREB1EのcDNAを連結したエフェクタープラスミドを作成する。次に、OsRBCS3プロモーターとルシフェラーゼのcDNAを連結したレポータープラスミドを作成し、エフェクタープラスミドとともにイネの葉身細胞へ導入する。この実験によりOsDREB1EがOsRBCS3遺伝子の転写活性化因子であることを明らかにする。
3. OsRBCS3プロモーターに存在する二つのDRE因子(塩基配列 5'-CCGAC-3')の一つあるいは両方を5'-TTTTC-3'に置換したプロモーターとルシフェラーゼのcDNAを連結したレポータープラスミドを作成し、エフェクタープラスミドとともにイネの葉身細胞へ導入する。置換プロモーターにおいてOsDREB1Eによる転写活性化が認められなくなれば、OsDREB1EはOsRBCS3プロモーター中のDRE因子に作用して転写を活性化していることが明らかとなる。
4. OsRBCS3遺伝子のプロモーターに存在する二つのDRE因子の一つあるいは両方を5'-TTTTC-3'に置換したプロモーターについて、OsDREB1Eタンパク質との結合をゲルシフトアッセイにより検討し、OsDREB1EはOsRBCS3遺伝子のプロモーターのDRE因子に直接作用して転写を活性化していることを明らかにする。
5. DREB転写因子のレベルを高めると、低窒素条件下におけるRubiscoレベル、光合成能力および乾物生産能力が高まることを明らかにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] シロイヌナズナの窒素応答反応におけるMYB様転写因子、AtMYBN1、の役割2014

    • 著者名/発表者名
      齋藤和幸、原田和佳、上野修
    • 雑誌名

      日本作物学会紀事

      巻: 第83巻別号1 ページ: 400-401

  • [学会発表] シロイヌナズナの窒素応答反応におけるMYB様転写因子、AtMYBN1、の役割2014

    • 著者名/発表者名
      齋藤和幸、原田和佳、上野修
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 発表場所
      千葉大学(西千葉キャンパス)
    • 年月日
      20140329-20140329
  • [備考] 植物生産生理学研究室

    • URL

      http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/lab/shokusei/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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