1.まず、トウモロコシのユビキチン遺伝子のプロモーターとOsDREB1EのcDNAを連結したエフェクタープラスミドを作成した。次に、OsRBCS3遺伝子のプロモーターとルシフェラーゼのcDNAを連結したレポータープラスミドを作成し、エフェクタープラスミドとともにイネの葉肉細胞へ導入した。エフェクタープラスミドの導入によりルシフェラーゼ活性が約4倍に増加した。このことから、OsDREB1EはOsRBCS3遺伝子プロモーターの転写活性化因子であることが示された。 2.OsRBCS3プロモーターに存在する二つのDRE因子(5’-CCGAC-3’)の一つあるいは両方を5’-TTTTC-3’に置換したプロモーターとルシフェラーゼのcDNAを連結したレポータープラスミドを作成し、エフェクタープラスミドとともにイネの葉肉細胞へ導入した。DRE因子の片側あるいは両側を変異させるとOsRBCS3遺伝子プロモーターの転写はOsDREB1Eにより活性化されなくなった。このことから、OsDREB1EはOsRBCS3プロモーター中のDRE因子に作用して転写を活性化していることが示された。 3.ゲルシフトアッセイにおいて、OsDREB1Eタンパク質はOsRBCS3プロモーターに結合したが、二つのDRE因子を5’-TTTTC-3’に置換するとOsRBCS3プロモーターに結合しなくなった。このことから、OsDREB1EはOsRBCS3遺伝子プロモーターのDRE因子に直接作用していることが示された。 4. 以上の結果より、OsDREB1EはOsRBCS3遺伝子プロモーターのDRE因子に直接作用して転写を活性化していることが明らかとなった。
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