圃場環境操作実験で栽培されたイネを対象にNMRメタボロミクスを実施し、気候変化がイネの代謝プロファイルにおよぼす影響を調べた。 コシヒカリでは、年により程度は異なるものの、幼穂形成期にCO2濃度上昇による影響が見られ、糖類の組成変化が示唆された。低窒素区における代謝プロファイルの変化は穂揃期以降に現れ、登熟期では止葉の葉身および葉鞘、小穂の全てにおいて施肥の影響が認められた。タカナリはコシヒカリよりも環境変化による代謝への影響が小さく、穂揃期の止葉葉身においてわずかにCO2濃度上昇による効果が見られ、施肥の影響は見られなかった。水温上昇の影響は、コシヒカリ、タカナリともに確認されなかった。
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