登熟時の高温による白未熟粒の発生に強い品種育成のため、ハバタキ・ササニシキ染色体断片置換系統を用いて、高温耐性に関与する遺伝子座の解明を行った。この高温耐性QTLは、第3染色体に座乗しており、その存在範囲を絞り込んだ。このQTLがハバタキ型の場合には、登熟時の気温の上昇幅が同じでも、白未熟粒の増加割合がササニシキより小さいことから、真の登熟期高温耐性である。このQTLの近傍に、整粒割合を増加させるQTLも見出した。この2つのQTLは、共にハバタキ型で整粒割合を増加させる方向に働くため、これらのQTLを含む領域を導入することにより、日本型イネの整粒割合増加と白未熟粒減少方向に改良可能となる。
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