本研究はひとと森林とのかかわりから文化遺産を再評価し、価値と現状を踏まえて森林の目標像を設定し保全管理計画を提案することを目的とした。「石見銀山遺跡とその文化的景観」では特徴的な樹種としては栗、梅、ナラ類、ツバキ、松、竹が抽出され、今後は観光ルート沿いを中心に森林整備を行うことを提案した。「白川郷」では昭和20年代以降集落周辺の草地、広葉樹林が人工林に変化したことが明らかになった。世界遺産の景観を維持することなどを考慮して、かつて草地だったところは積極的に人工林の間伐を行うなど、管理のゾーニングを行った。
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