本研究では,日本の豊富なアジサイ遺伝資源を利用して環境耐性をもつ園芸品種を育成するために,これらの系統学的な解析を行うとともに,強光耐性並びに乾燥耐性を持つ育種素材の探索を行った.①ガクアジサイとエゾアジサイの分布境界域が,頸城山塊であること,②伊豆半島ではガクアジサイとヤマアジサイの自然交雑が生じていること,③アジサイ園芸品種の中にはガクアジサイとエゾアジサイの種間交雑品種が多く含まれること,④八丈島と青ヶ島のガクアジサイ野生系統において乾燥耐性が認められること,⑥強光障害には2タイプあり,いくつかの耐性系統が認められること,が明らかとなった.
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