カーネーションでは,雌ずいで生成するエチレンが花の老化の「スターターエチレン」として働いている.本研究では,雌ずいのエチレン生成誘導因子がアブシシン酸(ABA)であることを,切り花の寿命の異なる3品種のカーネーションを用いてABA含量の変動,及びABA生合成と作用の鍵遺伝子の発現を調べて実証した.また,開花と老化を制御する薬剤の作用の解析を行い,ピリジンジカルボン酸が,スプレーカーネーションの老化を抑制すると共に蕾の開花を速めること,および本来開花せずに寿命を終わる蕾の開花を誘導することを発見し,この薬剤を「夢の薬剤」として提案した.
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