研究課題/領域番号 |
24580054
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
山口 正己 東京農業大学, 農学部, 教授 (80355370)
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研究分担者 |
末貞 佑子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (60391471)
馬場 正 東京農業大学, 農学部, 教授 (80277243)
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キーワード | モモせん孔細菌病 / 遅延発光 / 抵抗性判定 |
研究概要 |
初年度は、モモせん孔細菌病病菌の接種による生物遅延発光量の変化を検討し、従来行われてきた付傷接種による本病抵抗性との関係を明らかにしようとした。その結果、本病菌に接種により、遅延発光量が増加するものの抵抗性との判定のためには個別葉における遅延発光量の振れが大きいことが明らかになった。このため、平成25年度は遅延発光量の測定条件を精査するとともに、明らかになった測定条件により、菌液接種、圃場における発病・未発病葉について、遅延発光量の測定を行い、抵抗性判定法を検討した。 この結果、測定条件としては、暗期5分、励起時間5秒、測定時間10秒が適当であることが判明した。また、水接種、菌液接種はともに遅延発光量を増加させること、圃場における発病葉では積算発光量が低下すること、品種によりもともとの遅延発光量に差異があること、発病においては、測定の極初期の発光量の低下が顕著であることなどが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、病菌接種により遅延発光量の顕著な変化が生じると期待したが、遅延発光にかかわる要因が多く、病菌接種による効果とそれ以外の要因の及ぼす効果とが混在し、抵抗性判定を行うためにはこれらの要因を検討する必要が新たに生じた。
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今後の研究の推進方策 |
励起極短時間後の遅延発光量の低下が接種葉において特徴的に認められることから、今後、積算発光量と励起0.1ないし0.2秒間の発光量低下の2つの項目を指標に、抵抗性の異なるモモ品種にモモせん孔細菌病菌を接種し、上位葉について接種5~7日後の遅延発光量を測定することで、遅延発光量の測定が本病に対する抵抗性判定の指標として利用可能であることを実証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度に引き続き、モモせん孔細菌病抵抗性判定のための遅延発光量の測定を行うため。 病菌の培養、接種切枝の接種室での保存、検定用品種複製樹の作成と管理に用いる。
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