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2013 年度 実施状況報告書

植物ホルモン動態解明に基づくカンキツ単為結果性発現の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 24580058
研究機関佐賀大学

研究代表者

古藤田 信博  佐賀大学, 農学部, 准教授 (50355426)

研究分担者 松尾 哲  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所野菜育種ゲノム研究領域, 研究員 (20414675)
本多 一郎  前橋工科大学, 工学部, 教授 (00241852)
キーワード単為結果性 / ジベレリン / カンキツ / 植物ホルモン
研究概要

今年度(H25年度)は、まず昨年度作出したCuGA20ox1およびCuGA20ox2の過剰発現系統における内生ジベレリンの変動を明らかにするため、早期非水酸化経路上の産物であるGA24, GA9, GA34, GA51および早期13位水酸化経路上の産物であるGA19, GA20, GA8, GA29についてLC-MS/MSによる一斉分析を行った。その結果、野生型と比較しCuGA20ox1およびCuGA20ox2の過剰発現系統はいづれもGA24が減少し、GA34とGA51が増加した。GA9については野生型および形質転換体どちらも蓄積量が少なく、有意差はみられなかった。また、早期13位水酸化経路では、野生型に比較し、CuGA20ox1およびCuGA20ox2の過剰発現系統ではGA19が減少し、GA20, GA8, およびGA29が増加する傾向が見られた。活性型のGA1およびGA4は濃度が非常に低く検出限界以下であった。-これは、ジベレリン定量に使用したシロイヌナズナが開花後の植物体で、伸長ステージを過ぎていたからだと考えられる。一方、これら活性型の代謝物であるGA34およびGA8が有意に過剰蓄積していた。これらの結果から、CuGA20ox1およびCuGA20ox2は、それぞれのGA生合成経路を活発化させることにより活性型GA濃度を上昇させ、CuGA20ox1およびCuGA20ox2過剰発現系統の茎の伸長を促進させたことが示唆された。
シロイヌナズナ形質転換体におけるジベレリンの一斉定量が軌道に乗ったことから、ウンシュウミカン、クレメンチン、ヒュウガナツ、清見の子房における内生ジベレリンの定量を行った。定量結果については現在解析中である。また、H25年度に計画していたサイトカイニン、オーキシン等の塩基性植物ホルモン定量についても条件検討実験を行い、各カンキツ類の子房における内生濃度を一斉分析するための前処理条件を確立した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

各種植物ホルモンの定量については前処理条件等が確定し、カンキツ子房および組換シロイヌナズナの内生ホルモン量を測定することができた。また、カンキツ子房におけるジベレリン生合成遺伝子の発現を定量PCRで測定することができた。しかしながら、昨年7月に職場の異動(農研機構から佐賀大学)があり、実験機器の不足や研究室の立上に時間がかったこともあり、想定していた実験スケジュールに遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

H26年度は植物ホルモンの定量解析に重点を置きつつ、オーキシンのシグナル伝達に関与している遺伝子と果実形成との関連性や、子房の発達とGA遺伝子の発現との関係を明らかにしたい。特に、カンキツ子房におけるジベレリン、サイトカイニン、オーキシンの動態について、4品種の時期別サンプルの分析により明らかにする。
また、アレイの結果から抽出した候補遺伝子について、各品種の時期別子房における発現を確認する。

次年度の研究費の使用計画

ほぼ計画通りに物品等を購入し研究を行ったが、多少残額が生じた。
次年度に繰越し、消耗品等の購入に充てる。

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公開日: 2015-05-28  

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