研究概要 |
今年度(H25年度)は、まず昨年度作出したCuGA20ox1およびCuGA20ox2の過剰発現系統における内生ジベレリンの変動を明らかにするため、早期非水酸化経路上の産物であるGA24, GA9, GA34, GA51および早期13位水酸化経路上の産物であるGA19, GA20, GA8, GA29についてLC-MS/MSによる一斉分析を行った。その結果、野生型と比較しCuGA20ox1およびCuGA20ox2の過剰発現系統はいづれもGA24が減少し、GA34とGA51が増加した。GA9については野生型および形質転換体どちらも蓄積量が少なく、有意差はみられなかった。また、早期13位水酸化経路では、野生型に比較し、CuGA20ox1およびCuGA20ox2の過剰発現系統ではGA19が減少し、GA20, GA8, およびGA29が増加する傾向が見られた。活性型のGA1およびGA4は濃度が非常に低く検出限界以下であった。-これは、ジベレリン定量に使用したシロイヌナズナが開花後の植物体で、伸長ステージを過ぎていたからだと考えられる。一方、これら活性型の代謝物であるGA34およびGA8が有意に過剰蓄積していた。これらの結果から、CuGA20ox1およびCuGA20ox2は、それぞれのGA生合成経路を活発化させることにより活性型GA濃度を上昇させ、CuGA20ox1およびCuGA20ox2過剰発現系統の茎の伸長を促進させたことが示唆された。 シロイヌナズナ形質転換体におけるジベレリンの一斉定量が軌道に乗ったことから、ウンシュウミカン、クレメンチン、ヒュウガナツ、清見の子房における内生ジベレリンの定量を行った。定量結果については現在解析中である。また、H25年度に計画していたサイトカイニン、オーキシン等の塩基性植物ホルモン定量についても条件検討実験を行い、各カンキツ類の子房における内生濃度を一斉分析するための前処理条件を確立した。
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