研究課題/領域番号 |
24580067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹下 稔 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00304767)
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研究分担者 |
古屋 成人 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10211533)
土屋 健一 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40150510)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Cucumber mosaic virus / Turnip mosaic virus / local interference |
研究概要 |
CMV感染およびTuMV感染によって誘導される局所的宿主基礎抵抗性の解明を試みた.ここでは両ウイルスが局所的干渉効果を示さないArabidopsis thaliana(シロイヌナズナ)の遺伝子破壊系統を探索することに加え,サリチル酸蓄積を阻害する形質転換Nicotiana benthamiana(ベンタミアナ)を供試した.蛍光タンパク質を発現する組換えウイルスは既に構築済みであり,蛍光顕微鏡を用いた観察系も確立されている.基礎抵抗性遺伝子破壊系統にはサリチル酸(SA)系,エチレン系,ジャスモン酸(JA)系等に関する様々な当研究室保有変異体等を用いた.まず,シロイヌナズナとベンタミアナの基礎抵抗性遺伝子破壊系統に蛍光タンパク質を発現する組換えCMVと組換えTuMVを混合接種し,蛍光顕微鏡観察を実施した.局所的干渉作用への影響は蛍光顕微鏡観察による両ウイルスの感染移行動態により評価し,どのようなウイルス抵抗性シグナル伝達系が局所的干渉作用を決定しているのかを探索した.蛍光顕微鏡を用いた局所的干渉作用の観察結果から,少なくともSA系シグナル伝達経路が局所的干渉作用に関与することが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CMV感染およびTuMV感染によって誘導される局所的宿主基礎抵抗性の分子機構はこれまで不明であったが、本研究の遂行よりサリチル酸誘導型の宿主反応が深く関与することが示された。この成果は本課題の最も重要な研究目標が達成されたことを示唆している。今後はサリチル酸誘導型の宿主反応に対する各ウイルス遺伝子の関与を追究していくことが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
HC-Proと2bの組織特異的な機能発現の検証を行う。 CMVが維管束系細胞から非維管束系細胞に移行する際に2bには促進作用があることが示されている。また、HC-ProはCMVを維管束系細胞において高濃度に蓄積させる働きがあるが、維管束系細胞から非維管束系細胞への移行に関しては促進しないことが判明している。ここでは従来議論されてきたRSS活性とは異なり、宿主基礎抵抗性との関連性においてHC-Proと2bの未同定機能を探る。換言すれば,ウイルス感染過程におけるHC-Proと2bの機能解析によって宿主基礎抵抗性の組織特異的誘導を導き出す。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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