本研究では、チャハマキ静岡系統の胚期雄殺しの原因因子を明らかにすることを目的としている。静岡系統は、Spiroplasma(Sp)とWolbachiaに混合感染していることが明らかとなった。両細菌に感染していない系統に静岡系統の幼虫の体液を注射接種したところ、Sp単独感染系統が作出され、本系統ではオスが出現しなかった。このことから、胚期雄殺しの原因因子は、Spであることが明らかとなった。チャハマキ幼虫個体群において、オス殺し因子の有病率の季節的変動を調査した結果、有病率の季節的変動はSpが0.9%~15.1%、幼虫期雄殺しの原因因子であるRNAウイルスが4.3%~12.9%の間を推移した。
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