研究実績の概要 |
ほ乳類由来のProstaglandin E synthase (PGES)と比較して,無脊椎動物由来PGESに関する研究例は少ない.平成23~24年度に得られたBombyx mori PGES (bmPGES)の結果をもとに,平成25年度は,さらにbmPGES活性発現に関与するアミノ酸残基の同定を行った. bmPGESはホモダイマーとして存在する.bmPGESダイマーの保持には,Phe48, Phe94, Phe128, Phe129, Lys132そしてLue133より形成されるLock and key motifの関与が明らかとなった.このmotifは他の生物由来GST分子中においても高く保存されていた. また,ヒトProstaglandin synthase阻害剤である2-(2-benzothiazolyl)-5-styryl-3-(4-phthalhydrazidyl)tetrazolium chloride (BSPT)とbmPGES間の相互作用部位を調査した.その結果,Tyr8, Lue14, Tyr107, Lys114, Val155, Met159, Glu159ならびにGlu203の各残基のBSPT結合への関与が示唆された. 平成25年度においては,Asn96,Asp97そしてArg99のelectron-sharing networkへの関与を報告した.これに加えてLue15, Glu63そしてSer64の関与が新たに示された.
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