本研究では、水田において各種の栽培管理法(化学農薬の使用量や施肥量など)、寄主や獲物となる他種の分布、さらには周辺環境の状態などが、いかに有用天敵昆虫やクモ類の豊富さと分布を決定するかに焦点を当て、どのような生物種が指標種として優れるかについてを明らかにした。また、指標候補を含む有用生物の多様性と、害虫の多様性・発生量や中立種(ただの虫)の多様性など、他の生物群との関係を多面的に明らかにできた。それらの結果に基づき、候補種の分布状況や密度を効率的に予測でき、また精度の高いモニタリングが可能になると期待された。
|