スズメバチの幼虫が作るマユ(ホーネットシルク、HS)について、構成する4種類のタンパク質(Vs1~4)を合成、構造を調べ、HSの人工生産系の基盤を築くことを本研究の目的とした。Vs1~4を大腸菌で高効率で生産する条件と見出した。Vs1~4の構造および構造転移挙動は天然HSの挙動と一致した。各pHにおけるζポテンシャルを測定した結果、Vs1~4の等電点(pI)は、それぞれ、アミノ酸配列から計算されるpIの理論値と全てよく一致した。生理条件(pH 7.4)下で表面が正に帯電しているVs1と2は高い細胞接着活性を示した。
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