本研究では元素集積の多様性を、遺伝的要因による変動、植物体内における元素の形態や転流、および土壌-植物間相互作用の観点から広く調査した。約850植物種の葉において、元素含有率の種間変動がほとんどの非必須元素で必須元素より大きいことを示した。複数のアルミニウム集積植物種において共通のアルミニウム集積形態が確認された。ダイズの葉では成熟に伴いリン、カリウム、および銅の含有率は大きく低下し、他の元素、特にモリブデンの含有率は上昇した。異なる土壌環境で生育した植物の葉の元素含有率と土壌中の有効態の含有率を各元素で比較した結果、相関を示す元素の傾向に植物分類学的な特徴が見られた。
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