バイオディーゼルの原料となる植物の貯蔵脂質(トリアシルグリセロール、TAG)は、通常、種子に多く含まれており、葉、茎、根にはほとんど含まれていない。そのため、バイオマスが大きい葉や根でTAGを高蓄積できれば、新しい油脂原材料としての実用化が期待できる。研究代表者はこれまでに、リンが欠乏した生育条件下では、植物葉で通常微量である油脂が顕著に蓄積すること、さらにデンプンを蓄積しない変異体ではこの油脂蓄積がより顕著であることを発見した。本研究期間では、まずリン欠乏応答性プロモーターの制御下で主要TAG合成酵素を発現させ、リン欠乏時の根でTAGを蓄積するシロイヌナズナ形質転換体の作出に成功した。
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