• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

FNRとフェレドキシンアイソフォームによる窒素代謝と炭酸固定への電子伝達分配機構

研究課題

研究課題/領域番号 24580098
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

樋口 美栄子  独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 特別研究員 (40443014)

キーワード光合成電子伝達 / 窒素代謝
研究概要

植物は葉緑体で行う光合成反応により炭素代謝産物を作りだし、もうひとつの重要な栄養である窒素は根から吸収している。窒素代謝産物と炭素代謝産物は互いにバランスを保つことが知られているが、その詳細なメカニズムは不明である。光合成電子伝達の成分のひとつであるフェレドキシンNADP+レダクターゼの2つのアイソフォーム(FNR1/FNR2)の過剰発現により、炭素代謝と窒素代謝への電子分配が変化することがわかっている。またこの電子伝達の分配にはフェレドキシンのアイソフォームの変化が伴うことが示唆されている。フェレドキシンは窒素代謝と炭素代謝の他に光化学系I循環的電子伝達・硫黄代謝にも電子分配を行うことがわかっている。そこで、これらのFNR1・FNR2過剰発現体(FNR1OE・FNR2OE)におけるフェレドキシンの電子伝達に関与する遺伝子の発現量を調べた。窒素代謝に関与する硝酸レダクターゼはFNR1OEでは変化がなく、FNR2OEで約3倍に増加していた。グルタミン合成酵素も同様な結果を示した。光化学系I循環的電子伝達に関与するPGRL1は野生型と同様であったが、PGR5はFNR1OEでは変化がなく、FNR2OEで約5倍に増加していた。硫黄代謝に関与する亜硫酸レダクターゼは両者において、若干の減少(約0.6倍)が見られた。フェレドキシン:チオレドキシン酸化還元酵素はほぼ野生型と変わらない発現を示した。FNR2過剰発現体は窒素代謝への電子分配がより優先的に行われているため、硝酸レダクターゼやグルタミン合成酵素の発現が増加していることが考えられる。一方FNR1過剰発現体では大きな遺伝子発現の変化が見られなかったことは、この過剰発現体は光合成活性に阻害が見られなかったためだと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験計画で予定していたフェレドキシンとFNRの電子分配に関与する遺伝子発現の解析は終了している

今後の研究の推進方策

今後は電子分配に関与する因子についての解析を進める

次年度の研究費の使用計画

購入予定していた機械が共通実験室のもので使用できたため
所属研究室を移動したため、実験に必要な機器を購入する

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Substantial expression of novel small open reading frames in Oryza sativa2014

    • 著者名/発表者名
      Okamoto M, Higuchi-Takeuchi M, Shimizu M, Shinozaki K, Hanada K
    • 雑誌名

      Plant Signal Behav.

      巻: 9 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.4161/psb.27848

    • 査読あり
  • [雑誌論文] BPG3 is a novel chloroplast protein that involves the greening of leaves and related to brassinosteroid signaling2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshizawa E, Kaizuka M, Yamagami A, Higuchi-Takeuchi M, Matsui M, Kakei Y, Shimad Y, Sakuta M, Osada H, AsamT, Nakano T
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1080/09168451.2014.885831

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The RNA-binding protein FPA regulates flg22-triggered defense responses and transcription factor activity by alternative polyadenylation2013

    • 著者名/発表者名
      Lyons R, Iwase A, Gansewig T, Sherstnev A, Duc C, Barton GJ, Hanada K, Higuchi-Takeuchi M, Matsui M, Sugimoto K, Kazan K, Simpson GG, Shirasu K
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 3 ページ: 2866

    • DOI

      10.1038/srep02866.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi