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2015 年度 実績報告書

人為的な祖先細胞の造成による環境応答の転写制御ネットワークの全容解明

研究課題

研究課題/領域番号 24580101
研究機関埼玉大学

研究代表者

朝井 計  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (70283934)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードシグマ因子 / 細胞死
研究実績の概要

細菌のストレス応答は複数の遺伝子転写制御系のネットワーク構造で構成されている。本研究は、まず目的以外の制御系を削除した単純系株を構築し、個々の制御系の真の支配下遺伝子を個別に明らかにしていき、それらを統合して正確な元の全体像を得る、従来法と
全く逆の方向からのアプローチによる、新たな解析手法に基づくものである。手始めにゲノム改変が容易な枯草菌を材料とし、シグマ因子群からなる転写制御ネットワークの構造と機能・意義に関する解析を行った。
これまで、足跡を残さず、遺伝子内領域を染色体から欠失させるマーカーレス破壊法により、枯草菌の19のシグマ因子のうち18のシグマ因子が機能していない株(シグマ因子最少株)の作製を行い、実質たった1つのシグマ因子のみで増殖可能であることが判明した。
シグマ因子最少株について、熱ストレス等種々の環境ストレスに対する応答を調べた結果、シグマ因子を全て有する野生株との大きな違いは見出せなかったが、シグマ因子最少株は定常期には死滅してしまうというユニークな表現型を呈した。この表現型に関与する責任シグマ因子の同定を行うために、シグマ因子最少株を基本に、シグマ因子の保有数を1つ、2つと段階的に増した株のシリーズを作製した。その結果、定常期死滅はシグマ因子最少株で見られる表現型であることが判った。
最終年度では、この定常期死滅を免れる細胞を、数種類取得し、その解析を行った。全ゲノム再シーケンスにより現在、変異部位の探索を行っている。また、細菌にはリボソームを不活化して保存しておくための因子が存在するが、シグマ因子最少株ではこの因子を欠失させることができず、その要因は破壊したシグマ因子の一つにあることが判明した。リボソームと転写装置の、定常期細胞の生存における相互の関係を示唆する結果である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 熱耐性と胞子形成に関与する枯草菌rpoC 遺伝子の新規機能解析2016

    • 著者名/発表者名
      高松美沙樹
    • 学会等名
      日本農芸化学会2016年度大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道札幌市)
    • 年月日
      2016-03-30 – 2016-03-30
  • [学会発表] Analysis of mechanism of stress response induced with the plant essential oils in Bacillus subtilis2015

    • 著者名/発表者名
      小澤良基
    • 学会等名
      The 14th Asian Conference on Transcription(国際学会)
    • 発表場所
      National University of Singapore(Singapore)
    • 年月日
      2015-12-03 – 2015-12-04
    • 国際学会
  • [学会発表] 枯草菌シグマ因子最少化株の表現型の解析2015

    • 著者名/発表者名
      吉田早希
    • 学会等名
      日本遺伝学会第87回大会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2015-09-24 – 2015-09-24
  • [学会発表] 枯草菌SigIの定常期における役割2015

    • 著者名/発表者名
      清水葉子
    • 学会等名
      日本遺伝学会第87回大会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2015-09-24 – 2015-09-24
  • [学会発表] 植物香気成分の枯草菌ストレス応答に与える影響の解析2015

    • 著者名/発表者名
      小澤良基
    • 学会等名
      日本遺伝学会第87回大会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2015-09-24 – 2015-09-24

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公開日: 2017-01-06  

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