細菌のストレス応答転写制御の全体像解明を目指した。枯草菌のストレス応答に関わる全部で19のシグマ因子のうち18のシグマ因子が機能していない株(シグマ因子最少株)を創成し、実質たった1つのシグマ因子のみで増殖可能であることを明らかにした。シグマ因子最少株は野生株と大きく異なり、定常期には完全に死滅してしまうというユニークな表現型を呈した。この定常期死滅を免れる細胞を、数種類取得し、その変異部位の探索を行った。これらの結果から、定常期細胞の生存を担う、転写と翻訳機構が相互に関係した機構の存在を示唆する結果が得られた。
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