アクリル酸生産株Megasphaera elsdenii JCM1772由来アクリル酸生産関連遺伝子(pctプロピオン酸-CoA転移酵素遺伝子)およびlcdCAB(ラクチル-CoA脱水酵素遺伝子))を発現ベクターpETDuet-1に黒ニングしpETDuet-pct-lcdCABを得た。これを用いて大腸菌E. coli JW0885を形質転換した。SDS-PAGEにより、得られた形質転換体にてPctおよびLcdCABの発現を確認した。得られた形質転換体を用いて、パントテン酸添加M9培地にて嫌気条件下で18h培養した。経時的に培養液上清をサンプリングしアクリル酸量、乳酸量、培養液濁度、残存グルコース濃度をHPLCおよび市販キットを用いて測定した。その結果、18h時間培養後のアクリル酸量は0.17mMであった。次に、GC-MSを用いて培養液上清を分析したところ、アクリル酸と一致するピークを得たことから、形質転換体はアクリル酸を生産していることを確認した。同様の実験をLactococcus lactisを用いて行った。具体的には、Lactobacillus delbrueckii由来のD-乳酸脱水素酵素遺伝子D-ldhをL. lactis NZ9000株のL-ldhと置き換え、D-乳酸生産NZ9000株を作成した。これにpctおよびlcdCABをNICE systemを用いて導入し発現させた。しかし、明瞭なアクリル酸の生産は確認できなかった。その理由として、PctおよびLcdCABの発現量が十分でないことが考えられた。
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