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2012 年度 実施状況報告書

超低栄養性細菌に見いだされた新規オルガネラ、オリゴボディーの解析

研究課題

研究課題/領域番号 24580111
研究種目

基盤研究(C)

研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

吉田 信行  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (10273848)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードoligotroph / oligo body / TEM / inorganic polyphosphate
研究概要

Rhodococcus erythropolis N9T-4株のオリゴボディーについて、本年度は主として電子顕微鏡を用いた観察を行った。炭素源あるいは窒素源について様々な条件で本菌を培養し、得られた菌体をグルタルアルデヒド、四酸化オスミウムによって固定し、透過型電子顕微鏡観察を行った。
その結果、炭素源を含まない無機塩からなる基本培地(BM培地)において顕著なオリゴボディー形成が見られ、大きさ、保有細胞の数ともに栄養源豊富な培地(LB培地)で培養したものを大きく上回った。BM培地に炭素源としてグルコースあるいはn-テトラデカンを加えた場合でもオリゴボディーの形成に顕著な差は認められなかった。しかしながら、窒素源として塩化アンモニウムを加えた場合、大きさが若干小さくなる傾向にあった。これらの結果から、オリゴボディーは低栄養条件で顕著に形成され、窒素源の影響を受けることが示唆された。
研究をより進めやすくするために、光学顕微鏡でのオリゴボディーの可視化を試みた。様々な染色方法を試した結果、トルイジンブルーでオリゴボディーを染色可能であることを見いだした。トルイジンブルーで染色されるものの候補として無機ポリリン酸が予想されたので、菌体内の無機ポリリン酸含量を定量した。従来知られている大腸菌などグラム陰性菌用の方法ではグラム陽性菌であるN9T-4株から効率よく無機ポリリン酸を抽出できなかったが、菌体の破砕方法など独自の改良を加え、N9T-4株の無機ポリリン酸を定量する方法を構築することができた。その方法で様々な条件で培養した菌体内の無機ポリリン酸含量を測定したところ、やはりLB培地に比べ、BM培地で培養した菌体の方が3-4倍無機ポリリン酸含量が高かった。これらの結果はオリゴボディーにポリリン酸が蓄積していることを示唆するものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画は(1)オリゴボディーの電子顕微鏡観察、(2)オリゴボディーの単離、であり、(1)はほぼ計画通りに進めることができた。(2)についても並行して行ったがオリゴボディーを無傷のまま菌体を破砕することが非常に難しく、その条件検討に終始した。その結果、比較的効率の良い破砕方法を確立できたので、来年度から本方法を用いてオリゴボディーの単離を試みる予定である。また、やはり光学顕微鏡を用いて観察を行うことが効率的であるので、オリゴボディーの染色による可視化を検討したところ、トルイジンブルーで染色可能であることが分かった。このことは今後の研究をかなりスムーズに行えるようになったと同時に、オリゴボディーの内容物をある程度絞ることができた。
以上のように、当初の計画とは若干異なるものの、研究全体としては順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

今後はやはりオリゴボディーの単離を試みることが重要だと考えている。そのための菌体破砕方法は今年度にある程度確立できたので、来年度実際にオリゴボディーを単離し、ポリリン酸の蓄積、あるいは局在タンパク質などを明らかにして行く。

次年度の研究費の使用計画

該当なし。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 超低栄養性細菌 Rhodococcus erythropolis N9T-4 株に見出された新奇オルガネラ、オリゴボディーの解析

    • 著者名/発表者名
      藤好 拓也、毛戸 香織、岩野 恵、永井 里奈、吉田 信行、高木 博史
    • 学会等名
      日本生物工学会大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場

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公開日: 2014-07-24  

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