Rhodococcus erythropolis N9T-4株は炭素源無添加の無機塩培地に良好に生育し,CO2を要求する超低栄養性細菌である.本菌は低栄養条件で生育する際に細胞内に独特な細菌オルガネラ,オリゴボディーを1つずつ形成する.オリゴボディーの形成には添加する炭素源によっては変化がなかったが,窒素源を塩化アンモニウムに代えると,濃度依存的にオリゴボディーが小さくなる傾向にあった.オリゴボディーの構成成分は無機ポリリン酸であることが判明し,無機ポリリン酸の合成に関与する遺伝子であるppk1を欠損させた場合,オリゴボディーの形成は顕著に減少したが,低栄養生育能は親株と変わらなかった.
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