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2013 年度 実施状況報告書

枯草菌のバイオフィルム形成開始機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24580113
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

小林 和夫  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (70324978)

キーワードBacillus subtilis / Plant-microbe
研究概要

これまでに、枯草菌野性株3610株は、サリチル酸メチルに応答して、ポリグルタミン酸を生産すること、また、胞子形成を誘導することを見出している。サリチル酸メチルは、植物が植物病原菌に侵された際に放出する揮発性のシグナル物質であることから、この現象は根圏微生物である枯草菌が植物のシグナルに応答している可能性を示唆するものとして注目している。そこで、本年度は、この現象について調べた。その結果、(1)枯草菌はサリチル酸メチルに応答して、ポリグルタミン酸からなる莢膜を形成し、抗菌物質耐性を獲得すること、(2)サリチル酸メチルは枯草菌のDegS-DegUを活性化して、ポリグルタミン酸生産や胞子形成を誘導すること、(3)植物病原菌と異なり、枯草菌をシロイヌナズナの葉の細胞間領域に注入しても、サリチル酸メチル合成酵素の転写は誘導されないことから、枯草菌自身は植物のサリチル酸合成を誘導しない可能性が高いこと、(4)枯草菌はサリチル酸メチルに応答して、抗菌物質であるバシリシン、フェンジシンを生産すること、等が明らかになった。これらのことから、植物の根圏で棲息する枯草菌は、宿主植物が病原菌に侵されたことを、植物が放出するサリチル酸メチルを介して感知し、ポリグルタミン酸の莢膜や胞子を形成することで、宿主植物が植物病原菌に対抗して分泌する抗菌物質等から自身を守っていること、さらに抗菌物質を生産することで、宿主植物を植物病原菌から守っている可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

植物、枯草菌、植物病原菌の共培養系が確立できず、三者間の相互作用を直接観察できていない。

今後の研究の推進方策

これまでの成果を論文としてまとめるために、必要な実験を行う。

次年度の研究費の使用計画

論文作成が遅れたため
物品費として使用する

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公開日: 2015-05-28  

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