研究課題
ピルビン酸低減清酒酵母のピルビン酸低減メカニズムを探るために、3つのアプローチで研究を行った。1 まずピルビン酸低減清酒酵母のミトコンドリア呼吸能の測定及び炭素代謝フラックス解析を行った。その結果、ピルビン酸低減清酒酵母ではミトコンドリア呼吸活性が増加し、ミトコンドリア代謝活性が増加していることを明らかにした。この結果は、ピルビン酸低減清酒酵母のピルビン酸低生産性は、この株のミトコンドリア呼吸活性及びミトコンドリア代謝活性の増加によりもたらされていることを示唆している。2 ピルビン酸低減清酒酵母のゲノム解析により明らかになった候補遺伝子13個について、それらの変異を導入するプラスミドをin fusion cloning法により作成した。今後これらのプラスミドを清酒酵母の一倍体に導入して清酒を仕込み、ピルビン酸の生産性を調べればどの遺伝子変異がピルビン酸の低生産性をもたらすかが明らかになると期待される。3 ピルビン酸低減清酒酵母の2倍体を胞子形成させ、一倍体を9株取得した。それらの一倍体で清酒を仕込んだ結果、6株が低ピルビン酸性で3株が高ピルビン酸性であることが明らかになった。これらの一倍体のゲノム配列を明らかにすれば、ピルビン酸低減をもたらす遺伝子変異が明らかになると期待される。しかしまだ9株では数が足りないので、一倍体を増やすために再びピルビン酸低減清酒酵母を胞子形成させ、一倍体取得を試みている。
2: おおむね順調に進展している
ピルビン酸低減清酒酵母のミトコンドリア呼吸活性及びミトコンドリア代謝活性が増加していることを明らかにしたから。
ピルビン酸低減清酒酵母から多数一倍体を取得し、ピルビン酸生産性を調べそのゲノム配列との関連を調べることでピルビン酸低減をもたらす遺伝子変異が明らかになる。
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