焼酎酵母は2倍体であり2つある対立遺伝子の片方に変異が生じても形質として表れにくいため変異株の取得は困難であるとされてきた。本研究では、LOH (Loss of Heterozygosity: ヘテロ接合性消失)という現象を利用した2倍体焼酎酵母の遺伝子破壊システム構築を目的とした。リジン(LYS5)とウラシル(URA3)合成に関わる遺伝子を組み合わせた遺伝子破壊カセットをデザインし、焼酎酵母のロイシン合成遺伝子LEU2の1つを破壊した後、LOHを誘発することで両方のLEU2遺伝子破壊に成功した。さらに、用いた破壊カセットを除去することで繰り返し利用可能な遺伝子破壊システムの構築に成功した。
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