研究課題/領域番号 |
24580131
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
岡本 晋 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品バイオテクノロジー研究領域, 上席研究員 (80353986)
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キーワード | RNA / 塩基修飾 / メチル化酵素 |
研究概要 |
16SリボゾームRNA(rRNA)分子中の7-メチルグアノシン(m7G)修飾は、全ての真正細菌に存在し、その欠失は低レベルストレプトマイシン耐性の形質をもたらす。我々は、このm7G修飾がメチル化酵素「RsmG」によって触媒されることを明らかにしている。さらには、大腸菌においてはRsmGによるメチル化が未知の因子(タンパク質)により著しく促進をされることを見いだしている。このような因子は他の細菌では知られていない。本研究では、大腸菌のメチル化促進因子を同定すると共に、遺伝生化学的手法を駆使してその反応促進機構を明らかにすることを目指す。 本年度は、昨年度に引き続いてメチル化促進因子の精製を試みた。メチル化アッセイは、酵素として精製(His)6-RsmGを、基質としては精製70Sリボゾームを使用し、検出系としてはmethyltransferase assay kit(ケイマン・ケミカル社)を用いて行った。rsmG破壊株由来の粗リボゾーム画分を出発材料とし、1M塩化アンモニウムによる抽出、各種クロマトグラフィーによる精製を行った。最初の陰イオン交換クロマトグラフィーまでは強いメチル化促進活性が認められたが、その後の精製過程による失活が著しく、電気泳動上で特定のバンドとして確認できるレベルの精製を達成することが困難であった。そこで、遺伝学的手法により、RsmGと相互作用する因子の探索を行うこととした。現在、検出システムの構築を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度内のメチル化促進因子の精製を目指していたが、達成出来なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝学的な方法により、メチル化促進因子の同定を行っていく。具体的には合成致死探索、two-hybridシステム等による解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
購入した試薬等がキャンペーンで当初の想定より安く購入できたため。 次年度分と合わせて必要な試薬等の購入に使用する。
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