• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

バクテリアのリジンアセチル化と翻訳制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24580133
研究機関東京大学

研究代表者

古園 さおり  東京大学, 生物生産工学研究センター, 准教授 (90321760)

キーワードリジンアセチル化 / 翻訳制御 / 枯草菌 / EFTu / スクシニル化 / SILAC
研究概要

タンパク質のリジンアセチル化は、バクテリアからヒトまで進化的に保存された翻訳後修飾として近年注目されている。バクテリアにおけるリジンアセチル化の役割として代謝酵素の活性調節、走化性、ストレス応答との関連が知られているが、翻訳制御における役割についてはまだ報告がない。本研究では、翻訳伸長因子EFTuを中心に翻訳制御におけるリジンアセチル化の意義を明らかにすることを目指している。
前年度までに、枯草菌の主要なアセチル化タンパク質としてEFTuを同定し、枯草菌EFTuはアセチル化だけでなくスクシニル化修飾も受け、それらの修飾レベルが培地条件や培養フェーズによって大きく変動することを明らかにしている。本年度は、EFTuの修飾部位の同定と詳細解析を中心に行った。SILACを用いたアセチローム/スクシニローム解析により、MMグルコース条件とMMクエン酸条件におけるアセチル化とスクシニル化修飾の変動を網羅的に調べた。その結果、EFTuを初めとする翻訳関連因子やリボソームタンパク質のアセチル化/スクシニル化修飾レベルは培地条件によって変動しており、およその傾向として、グルコース条件でアセチル化が多く、クエン酸条件でスクシニル化が多い傾向が見られた。EFTuについて、GTPase活性を担うGドメインやtRNAとの相互作用ドメインにアセチル化およびスクシニル化修飾が見いだされ、各修飾部位は特徴的な変動パターンを示すことが明らかとなった。
EFTuは必須タンパク質であるため、変異解析を行うにはコンディショナルな条件での評価系を構築する必要があり、そのような株を構築した。各修飾部位の単独変異体を作成して37℃、LB培地条件での生育を評価したが、これまでのところ顕著な表現型を示す変異体は見つかっていない。今後は多重変異体を作成して、37℃での生育のほか温度感受性や胞子形成についても調べていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

EFTuのアセチル化/スクシニル化修飾部位の同定に成功し、培地条件での変動を明らかにすることができた。EFTu変異解析のための評価系の構築に成功したので、今後残りの単独変異体や多重変異体を作成して、解析を進めていく。

今後の研究の推進方策

これまでに単独変異株で表現型が見られていないので、多重変異株を構築して表現型を調べていく。同時に、各種培地条件、高温・低温での温度感受性、胞子形成など幅広い条件で調べる必要がある。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Effect of Porphyromonas gingivalis outer membrane vesicles on gingipain-mediated detachment of cultured oral epithelial cells and immune responses.2014

    • 著者名/発表者名
      Nakao, R., Takashiba, S., Kosono, S., Yoshida, M., Watanabe, H., Ohnishi, M., Senpuku, H.
    • 雑誌名

      Microbes Infect.

      巻: 16 ページ: 6-16

    • DOI

      10.1016/j.micinf.2013.10.005

    • 査読あり
  • [学会発表] 短鎖アシル化修飾による代謝フラックス制御機構の探索2014

    • 著者名/発表者名
      田村 克、吉田 稔、古園 さおり
    • 学会等名
      2014年度農芸化学会大会
    • 発表場所
      川崎市
    • 年月日
      20140328-20140330
  • [学会発表] 高度好熱菌Thermus thermophilusにおける短鎖アシル化修飾による酵素調節機構の解析2014

    • 著者名/発表者名
      吉田 彩子、山本 寛之、西山 真 、吉田 稔、古園 さおり
    • 学会等名
      2014年度農芸化学会大会
    • 発表場所
      川崎市
    • 年月日
      20140328-20140330
  • [学会発表] Corynebacterium glutamicumにおける短鎖アシル化修飾の網羅的解析2014

    • 著者名/発表者名
      水野 裕太、久保 翔世、吉田 稔、古園 さおり
    • 学会等名
      2014年度農芸化学会大会
    • 発表場所
      川崎市
    • 年月日
      20140328-20140330
  • [学会発表] Corynebacterium glutamicumの2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体における短鎖アシル化修飾の役割2014

    • 著者名/発表者名
      久保 翔世、水野 裕太、川崎 寿、古園 さおり
    • 学会等名
      2014年度農芸化学会大会
    • 発表場所
      川崎市
    • 年月日
      20140328-20140330
  • [学会発表] タンパク質の短鎖アシル化修飾とその分子機構2013

    • 著者名/発表者名
      古園さおり、田村克、水野裕太、久保翔世、吉田彩子
    • 学会等名
      2013年度グラム陽性菌ゲノム機能会議
    • 発表場所
      筑波市
    • 年月日
      20130907-20130908
  • [学会発表] Corynebacterium glutamicumのグルタミン酸誘導時における 短鎖アシル化修飾の網羅的解析2013

    • 著者名/発表者名
      水野 裕太、久保 翔世、古園さおり
    • 学会等名
      2013年度グラム陽性菌ゲノム機能会議
    • 発表場所
      筑波市
    • 年月日
      20130907-20130908
  • [学会発表] Corynebacterium glutamicum のグルタミン酸生産誘導時における 短鎖アシル化修飾の網羅的解析

    • 著者名/発表者名
      水野 裕太、久保 翔世、古園さおり
    • 学会等名
      日本農芸化学会2013年度関東支部大会
    • 発表場所
      横浜市

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi