本研究では、高等動物細胞の小胞体からゴルジ体への輸送経路(初期分泌経路)におけるカルシウム振動の役割の解明を目指した。Penta-EF-handタンパク質ALG-2とカルシウム依存性リン脂質結合タンパク質annexin A11(AnxA11)は、小胞体から出芽するCOPII小胞の出芽領域(ERES)にカルシウム振動に呼応して動員されるタンパク質であるが、これらの発現抑制による影響を検討し、ALG-2とAnxA11がSec31AのERES局在の安定化とERESの核近傍への分布を調節することを示した。また、ALG-2とAnxA11が小胞体からゴルジ体への輸送を負に制御することを見出し、報告した。
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