研究課題
1、相互作用タンパク質によるABCGタンパク質機能制御リン脂質に組み込まれた多価不飽和脂肪酸が、ABCG1によって排出されて高密度リポタンパク質(HDL)やアポリポタンパク質E含有リポタンパク質(LpE)を形成し、それら多価不飽和脂肪酸を含むHDLがマクロファージにおける炎症反応を抑制することとLpEがGAP-43発現上昇を介して神経突起伸長を促進することを示した。プロテインキナーゼC (PKC)活性化剤がABCG1によるHDLへの脂質排出を促進すること、逆にPKC阻害剤が脂質排出を抑制することを見出した。恒常的活性型のPKCαをABCG1と共発現させることによってABCG1タンパク質量が大幅に増加することを明らかにした。以上より、PKCリン酸化による翻訳後制御でABCG1が制御されていることを確認した。2、ABCG5/ABCG8とNPC1L1のモジュレーターのスクリーニングABCG5/ABCG8発現細胞を使ってハイスループットスクリーニングを行い、キノコ由来成分がABCG5/ABCG8タンパク質の活性を上昇させることを見出した。また、別のキノコ由来成分がコレステロールインポーターであるNPC1L1の活性を阻害することを明らかにした。これらの成分により動脈硬化の抑制につながる可能性がある。3、細胞膜脂質によるABCGタンパク質の活性制御細胞膜脂質環境によってABCGタンパク質の活性が制御される一方で、ABCG1とABCG4が細胞膜ラフト構造を変化させγ-セクレターゼのラフト領域への分布や活性に影響することで、アミロイドβの分泌を抑制することを見出した。このことから、ABCG1とABCG4がアミロイドβ産生を抑制し、アルツハイマー病の抑制に働く可能性を示した。
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