Ca2+シグナル伝達のメカニズムと生理機能の全体像の解明を目指す。特に本研究では、Ca2+シグナル系で機能することが予想される分子による寿命制御の解明を行う。以下、その概要を示す。① Ca2+シグナル伝達経路による寿命制御 (SCZによる寿命制御機構) 我々がすでに取得しているscz変異株について寿命への関与を調べるため、老化の指標となる現象を調べた。具体的にはSCZ破壊株/変異株の寿命測定およびテロメア長の測定を実施した。実際、すべての株について、寿命に変化が観察され、テロメア長に異常のあるものも観察された。② 多コピーサプレッサーの取得と解析(新規寿命関連因子の同定) zds1欠損株は寿命が短い。さらにカルシウムイオンに超感受性を示すので、この増殖阻害を回復させるような多コピーサプレッサーは寿命に関わる因子である可能性が高い。そこで、zds1破壊株を用いて、多コピーベクターに連結したゲノムバンクを形質転換し、カルシウムを含む培地で培養し、生育できたつまりこの増殖停止を解除した遺伝子を取得する。実際、たくさんの候補プラスミドが同定できた。
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