研究実績の概要 |
出芽酵母のCa2+シグナル伝達が関わる生理機能の解明を目指す。特に本研究では、Ca2+シグナル(ホメオスタシス)による老化・寿命制御の解明を行う。さらに、本寿命制御に関わる因子を同定し、制御メカニズムを明らかにする。最終年度の研究実績を以下に示す。
1.Ca2+シグナル伝達経路による寿命制御(SCZ遺伝子による寿命制御)。Ca2+耐性変異株(SCZ変異と命名)は14の相補性グループに分類されている。その中で、CNB1(カルシニューリン)とSWE1(細胞周期G2期阻害因子)破壊株の経時的寿命が野生型株よりも延長することを発見した。現在、細胞周期進行と寿命との関連を調べている。
2.Ca2+感受性を抑圧する多コピーサプレッサー遺伝子の寿命制御における機能。昨年度17種類の多コピーサプレッサー遺伝子のうち15遺伝子が寿命に影響を与えることを見出している。STM1, BFR1, MIH1の3種類については長寿を付与することが判明し、その解析を行った。その結果、これらはリボソームの機能を阻害することが明らかとなり、この事と寿命との関連を調べている。
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