研究課題/領域番号 |
24580143
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
江坂 宗春 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (70151975)
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研究分担者 |
藤川 愉吉 広島大学, 生物圏科学研究科, 講師 (10506687)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アスコルビン酸 / ビタミンC / アセロラ / 転写調節 / プロモーター / 遺伝子発現 / 酵素 / 遺伝子組換え |
研究実績の概要 |
アスコルビン酸(AsA)はビタミンCとして知られ、その強い還元能により活性酸素種を無毒化するなど、植物における抗酸化物質として重要な機能を有している。植物においてAsAはD-fructose-6-Pを初発物質とするSmirnoff-Wheeler経路で主に生合成されると考えられている。 アセロラは、その果実にAsAを大量に含んでおりAsA高含有植物として知られている。しかし、アセロラにおいてAsA生合成がどのよう制御され、AsAを豊富に集積するのかは不明である。これまでに、アセロラ果実について、Smirnoff-Wheeler経路のAsA生合成酵素であるGDP-D-mannose pyrophosphorylase (GMP)のmRNA発現調節機構に着目し研究を行ってきた。 まず、アセロラGMP遺伝子上流域-1100 ~ -1080 bpの領域に転写活性化シス因子が存在することが示唆された。そこで、シロイヌナズナGMP遺伝子上流域の一部をアセロラGMP遺伝子上流域の塩基配列に置換し、プロモーター活性を測定した。その結果、アセロラGMP遺伝子上流域-1100 ~ -1080 bpの導入では、プロモーター活性の増加がみられなかったのに対し、-1200 ~ -600 bpの導入ではプロモーター活性の増加した。このことは、アセロラGMP遺伝子の発現は、その遺伝子上流域-1100 ~ -1080 bpだけでなく、-1200 ~ -600 bpに存在する複数のシス因子により調節されている可能性を示唆している。 今後、アセロラGMP遺伝子のトランス因子の存在を明らかにするために、上流域-1200 ~ -600 bpのDNA断片と、アセロラおよびシロイヌナズナ葉から抽出した核タンパク質を用いてゲルシフトアッセイを行い、アセロラGMPプロモーターに結合するトランス因子の同定を目指したい。
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