研究課題
本研究では、ミリスチル化による蛋白質間相互作用の普遍性と、その細胞内シグナル伝達機構にける制御機構を明らかにするために、本年度はNAP-22とミリスチル化依存的に結合する蛋白質について、各種哺乳類細胞での細胞内局在や免疫沈降実験、およびin vitroにおける直接の結合実験を検討した。昨年度の結果からCOS-7細胞でミリスチル化NAP-22とHMGB1を共発現した場合に、通常は核に存在するHMGB1が核から細胞質に移行してミリスチル化NAP-22と共局在したことから、ミリスチル化NAP-22とHMGB1が直接結合することが示唆された。それを確かめるために、大腸菌で発現させたミリスチル化NAP-22とHMGB1の直接の結合実験を行ったところ、両蛋白質は結合しなかった。従って間接的に結合することが考えられた。次に哺乳類細胞としてHeLa細胞(ヒト子宮頸がん細胞)とN1E115(マウス神経細胞腫)を用いてNAP-22とHMGB1の細胞内における局在を免疫蛍光染色法で観察した。その結果、HeLa細胞においては核において両者の蛋白質が共局在することが分かった。更に、細胞分画法においても核分画において両蛋白質が存在することが示された。一方、免疫沈降法では両蛋白質の結合は観られなかったことから、弱い結合でNAP-22とHMGB1がミリスチル化依存的に相互作用している可能性が示唆された。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
Advances in Enzyme Research
巻: 2 ページ: 100~112
10.4236/aer.2014.22011
Okajimas Folia Anat. Jpn.
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http://doi.org/10.2535/ofaj.91.29