研究課題/領域番号 |
24580151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
老川 典夫 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (80233005)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | D-アミノ酸 / シロイヌナズナ / セリンラセマーゼ |
研究概要 |
本年度はまずシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のセリンラセマーゼ遺伝子(serr)破壊株を、シロイヌナズナのcDNA中のserrを、RNA干渉(RNAi)によって特異的に破壊し調製することを試みた。シロイヌナズナcDNAから、serrをPCRで増幅後、RNA干渉(RNAi)により特定遺伝子の発現を効率的にノックダウンするよう設計されたshRNAプラスミドに挿入した。マーカー遺伝子には、ハイグロマイシン耐性遺伝子を用いた。得られたプラスミドを、アグロバクテリウムに形質転換した。得られたアグロバクテリウムの形質転換体を、シロイヌナズナに感染させ、シロイヌナズナにshRNAプラスミドを形質転換した。シロイヌナズナ細胞内で生成するserrの二本鎖RNAは、ポリヌクレアーゼであるダイサーによって、21~25 bpの低分子干渉RNA(siRNA)に切断される。各siRNAの片方の鎖が標的であるserrのmRNAと二本鎖を形成し、その後ヌクレアーゼによって分解され破壊される。得られたシロイヌナズナの形質転換体から、T1種子を採取し、ハイグロマイシンを添加したMS寒天培地に播種した。得られたプレートは4℃で2日間、低温処理後、22℃でインキュベートした。発芽した幼芽は、ロックウールに移植し、種子を形成するまで生育させた。T2種子を採取し、ハイグロマイシンを添加したMS寒天培地に播種した。しかし当該T2種子が得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はまずシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のセリンラセマーゼ遺伝子(serr)破壊株を、シロイヌナズナのcDNA中のserrを、RNA干渉(RNAi)によって特異的に破壊し調製することを達成目標とした。シロイヌナズナcDNAから、serrをPCRで増幅後、RNA干渉(RNAi)により特定遺伝子の発現を効率的にノックダウンするよう設計されたハイグロマイシン耐性遺伝子をマーカー遺伝子とするshRNAプラスミドの構築に成功した。得られたプラスミドを、アグロバクテリウムに形質転換したアグロバクテリウムの形質転換体を、シロイヌナズナに感染させ、シロイヌナズナにshRNAプラスミドを形質転換することに成功した。得られたシロイヌナズナの形質転換体から、T1種子を採取し、ハイグロマイシンを添加したMS寒天培地に播種し、得られたプレートを4℃で2日間、低温処理後、22℃でインキュベートし発芽させることに成功した。発芽した幼芽は、ロックウールに移植し、種子を形成するまで生育することができた。T2種子を採取し、ハイグロマイシンを添加したMS寒天培地に播種したが当該T2種子が得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
RNA干渉(RNAi)を用いる方法ではシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のセリンラセマーゼ遺伝子(serr)破壊株の当該T2種子が得られなかったので、シロイヌナズナT-DNAタグラインを用い、serr破壊株の構築を検討する。形成された幼芽の形質の違いを観察すると共に、葉組織を緩衝液に懸濁後、ミキサーで破砕する。得られた無細胞抽出液中のD-及びL-アミノ酸濃度を光学分割型アミノ酸分析器でそれぞれ定量する。さらに、無細胞抽出液中のserrのmRNAの発現量を、リアルタイムPCRで定量する。ハウスキーピング遺伝子には、チューブリン遺伝子を用いる。
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次年度の研究費の使用計画 |
設備備品は本年度整備済みであるため購入しない。消耗品としては、薬品と消耗プラスティックを主として購入する予定である。また研究成果発表のため、国内出張旅費に使用する予定である。
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