研究課題/領域番号 |
24580155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 教授 (60272085)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 野生イネ / ジテルペン / フィトアレキシン / 生合成 / 進化 |
研究概要 |
イネOryza sativaからは、ジテルペン系フィトアレキシンは4系統、15種類単離同定されている。それらはジテルペノイド共有前駆体ゲラニルゲラニル2リン酸GGDPから生合成されるが、その生合成に関与するジテルペン環化酵素遺伝子は、全てcDNAクローニングされている。このことを引き金にして、それ以外の生合成遺伝子についても情報が蓄積しつつあるが、イネのフィトアレキシンの中でも、モミラクトンとフィトカサンについては、4番染色体と2番染色体上それぞれに生合成遺伝子がクラスターをなす可能性も示されてきている。このような遺伝子クラスターは高等生物では希有なことで、イネはこれらを人類による数千年の育種栽培によって獲得してきたのか、あるいはそれ以前から持っていたのか、といった進化的な知見はない。そこで本研究では、その進化的知見を得るために、野生イネを材料として、栽培イネに存在するフィトアレキシン生合成系、特にジテルペン環化酵素遺伝子を調べることを目的とする。本年度は、野生イネOryza rufipogonを栽培し、それより得られた繁殖種子を用いて、cDNAレベルでの検討を行った。探索したのは、フィトアレキシン生合成遺伝子OsCPS2、OsCPS4、OsKSL4、OsKSL7、OsKSL8、OsKSL10、比較参考として植物ホルモンの一つジベレリン生合成遺伝子OsCPS1、OsKS1などで、塩基配列レベルでは若干不一致であったが全ての存在は確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、野生Oryza rufipogonについて、cDNAレベルでの探索を完了することができた。今後はゲノムレベル、さらにはフィトアレキシン分析、さらには他の野生イネについても検討していく予定であるが、それらの基盤は整った。
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今後の研究の推進方策 |
野生イネにおけるジテルペン環化酵素遺伝子について、大腸菌発現組換えタンパク質を用いた機能解析、さらにはフィトアレキシン分析による栽培イネとの比較を行い、進化的知見をより深める。さらに別の野生イネについても同様の実験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
野生イネOryza rufipogonにおけるジテルペン環化酵素遺伝子について、大腸菌発現組換えタンパク質を用いた機能解析を中心に行う。また、別の野生イネOryza glumaepaturaについても追随して同様の実験を進めていく。
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