本研究では、生理活性の詳細が明らかにされていない植物由来希少天然有機化合物ソラノエクレピンAに着目して、構造と活性発現の関係を明らかにするための合成的基盤の確立を検討した。光学活性なHajos-Parrishケトンから四段階で合成したアルデヒドに対して、SmI2によるラジカル環化反応を行った結果、望むトリシクロデカンを良好な収率で合成することに成功した。これによって、ラジカル環化によるシクロブタンの構築を鍵反応とする独自の合成法を見出すことができ、高度に歪んだシクロブタンを持つトリシクロ[5.2.1.01,6]デカン骨格の構築法を確立した。
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