研究課題/領域番号 |
24580169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
西向 めぐみ 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (40374730)
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研究分担者 |
鈴木 卓弥 広島大学, 生物圏科学研究科, 講師 (30526695)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リン脂質 / タイトジャンクション / プラズマローゲン |
研究概要 |
プラズマローゲン(Pls)はリン脂質の一種で、脳や心筋、血中など生体に広く分布している。リポ蛋白質中の生理的な抗酸化因子であり、動脈硬化症やアルツハイマー病と深く関わっていると考えられている。申請者は、LC-MS/MSによるPls分子種の網羅的解析により、脳や心筋に加え、皮膚にも高濃度のPlsが濃縮していること、紫外線に暴露されたラットが、その酸化ストレスに抵抗するために、Pls生合成量を高め、皮膚や血液中のPls量を増加させることを明らかにしてきた。 今年度は、皮膚TJバリア機能へのPlsの役割を明らかにするために、ヒト正常皮膚細胞NHEKを細胞培養システム(Transwell)に播種し、Pls(コリン型とエタノールアミン型)または比較対照としてジアシル型リン脂質を細胞に添加し、タイトジャンクション(TJ)バリア機能亢進活性を比較した。 その結果、エタノールアミン型Plsはコントロール(リン脂質無添加)に対し、濃度依存的に経上皮電気抵抗値(TER)を上昇させたが、コリン型Plsまたはジアシル型のリン脂質の添加ではTERの上昇は見られなかった。この時のTJタンパク質をウェスタンブロット法にて測定したところ、エタノールアミン型Pls添加では、ZO-2、Claudin-4のTJ画分および細胞全体でのタンパク質量の増加がみられた。また、ZO-2、Claudin-4はmRNAレベルも上昇しており、転写レベルでの影響が起きていることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究機関の異動に伴い、当初、実験がやや遅れはしたが、動物実験の飼育までは進むことができたので、おおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
アトピー性皮膚炎モデル動物における皮膚バリア機能に対するプラズマローゲンの影響を見るための動物飼育実験を、年度の最後(平成25年2~3月)におこなった。まずは、そのサンプルの分析をおこなう。その結果をもとに、皮膚科の医師との共同研究を進める(打診中)。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度は、研究機関の異動に伴い、当初、実験が進まなかったが、異動した先の研究室において、機器、試薬が充足していたため、繰越金が多くなった。 しかし、平成25年度は再度の研究機関の異動となり、今度の大学では、新規研究室立ち上げで、試薬・機器等が十分ではなく、試薬類はほとんどが新規購入になる。研究課題遂行のために、当該年度の繰り越し金と次年度の研究費で、計画的に研究を進めていく。
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