研究課題/領域番号 |
24580171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木村 ふみ子 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (50321980)
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研究分担者 |
宮澤 陽夫 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20157639)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | α-リノレン酸 / ラット / 離乳期 / 妊婦 / ドコサヘキサエン酸 |
研究概要 |
動物実験によるα-リノレン酸のDHA源としての有効性の証明と関連遺伝子の発現解析 【飼料】飼料はAIN93G処方に準拠して作成した。対象は油脂源として大豆油を使用し、n-3系脂肪酸欠乏食は油資源をピーナツ油とサフラワー油を1:2.5の割合で混合したものを大豆油の代わりに使用した。【動物の飼育】妊娠4日目の市販SD系ラットを16匹購入し、購入当日に、1群8匹に体重がほぼ等しくなるように群わけし、一方は対照として大豆油食、他方はn-3系脂肪酸欠乏食で飼育した。仔ラットが5日齢の時、各腹8匹になるよう間引きを行った。残った仔ラットは哺乳保育を続け3週齢で離乳し、4週齢まで母ラットと同じ餌で飼育した。離乳ラットを4週齢時以降、紫蘇油投与試験に供した。なお、不妊が両群で1匹づつ、産子数の少ない(n-3系脂肪酸欠乏5匹、大豆油食3匹)ラットも両群で1匹づつ発生したため、今後はn-6で分析・解析を実施する予定である。【紫蘇油の投与と組織の採取】紫蘇油は市販のα-リノレン酸含量が50~60%のものを使用した。0.1%ショ糖脂肪酸エステルを分散剤とし、15%乳化液として体重gあたり1.5mgの紫蘇油を経口投与する。紫蘇油投与前(0日目)、3日目、7日目、14日目にラットを解剖し、血漿、肝臓、脳、腎臓、心臓を採取し分析試料を作成した。現在、順次分析を開始している。 日本人妊婦を対象にした栄養疫学的調査 本実験の実施にあたり、母体血、臍帯血脂肪酸組成については、データとしての入手が可能になり、一方で胎盤試料の入手が可能になったため順次分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は動物の飼育および投与試験を行い、予定通り試料採取まで実施を行った。不妊・少産子数、その他哺育中の事故による死亡による脱落も想定内の数に留まり、投与試験までは無事終了した。一方、平成25年度以降に予定していた日本人妊婦を対象にした栄養疫学的調査についても、順調に事業が進んでおり、さらに胎盤組織の入手も可能になった。以上のように、計画はほぼ予定通り達成している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は引き続き、動物実験で得られた試料の脂肪酸分析を実施する。組織は凍結乾燥試料を粉砕後、クロロホルム・メタノールで脂質を抽出、ケン化-酸性条件下でメチルエステル化を行い、得られた脂肪酸メチルエステルについてガスクロマトグラフィーで脂肪酸組成および組織中の脂肪酸含量を測定する。この結果について解析を行い、遺伝子発現解析が必要な遺伝子の候補を絞る。また、疫学調査についても分析を開始する。平成26年度は主に遺伝子発現解析を行う実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
17,184円は、脂肪酸分析に必要な試薬およびチップ等消耗品に使用する。
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