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2012 年度 実施状況報告書

脂質由来リガンドによる細胞応答と食品成分による制御

研究課題

研究課題/領域番号 24580177
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋大学

研究代表者

柴田 貴広  名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (80447838)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード自然免疫 / toll様受容体 / 炎症 / 食品成分
研究概要

本研究では、内因的あるいは外因的に産生される脂質由来リガンドによる炎症誘導機構を分子レベルで解明し、さらにそれらを制御しうる食品成分の探索を目的としている。特に、自然炎症に関与する受容体であるTLRや、変性リポタンパク質受容体を活性化するリガンドの解析と、食品成分による制御機構の解明を通して、食による健康増進や疾病予防への貢献を目指すものである。
平成24年度は、TLR受容体の活性化を評価するためのスクリーニング系の構築を行った。ヒト由来細胞であるHEK293細胞に、TLR2あるいはTLR4の発現ベクターを、TLRの下流に位置する転写因子NF-kBのレポーター遺伝子とともに導入し、安定発現株を取得した。NF-kBのレポーター遺伝子は、分泌型のルシフェラーゼを利用することにより、培養上清を用いたルシフェラーゼアッセイを可能とした。また、TLR4においては、そのアダプター分子であるMD2も同時に導入した。得られた細胞株に対し、TLR2およびTLR4に特異的なリガンドを処理し、ルシフェラーゼアッセイを行ったところ、リガンド処理濃度依存的にNF-kBの活性化が確認されたことから、取得した安定発現細胞株は、TLRの活性化を評価する上で有用であることが確認された。さらに、さまざまな野菜抽出物におけるTLR抑制活性を評価したところ、タマネギの酢酸エチル抽出物に抑制活性が認められた。また、ニンニクの油抽出物においても同様の活性が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の研究実施計画で予定していた通り、培養細胞を用いたTLR活性評価系を確立することができ、実際にいくつかの食品成分によるTLR阻害活性を見出すことができたことから、おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、当初の研究実施計画通り、TLRに対するリガンド作用を有する修飾タンパク質や脂質などの探索を実施する。また、そのリガンド分子に対する検出系の確立を行う予定である。さらには、TLRシグナルを制御する食品成分の探索と作用機序解明を試みる予定である。

次年度の研究費の使用計画

活性の認められたタマネギおよびニンニク中に含まれる活性物質の単離・構造決定のため、必要な有機溶媒類、HPLC様カラム類、また、共通機器使用料として使用する計画である。
また、単離した食品成分の活性評価のため、細胞培養のための培地類やルシフェラーゼアッセイのためのキットを購入する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] ニンニク抽出物に含まれるTLR阻害物質の探索

    • 著者名/発表者名
      柴田貴広、盧育章、本多和也、河合慶親、内田浩二
    • 学会等名
      日本農芸化学会2013年度大会
    • 発表場所
      東北大学
  • [学会発表] キャベツ由来イソチオシアネートのTLR抑制機構

    • 著者名/発表者名
      本多和也、柴田貴広、河合慶親、田中浩士、高橋孝志、牛田悠介、相澤宏一、稲熊隆博、内田浩二
    • 学会等名
      日本農芸化学会2013年度大会
    • 発表場所
      東北大学
  • [学会発表] たまねぎ抽出物に含まれるTLR抑制物質の同定と作用機序解析

    • 著者名/発表者名
      柴田貴広、中島史恵、本多和也、河合慶親、牛田悠介、相澤宏一、稲熊隆博、内田浩二
    • 学会等名
      日本農芸化学会2013年度大会
    • 発表場所
      東北大学

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公開日: 2014-07-24  

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