研究課題
グルコサミンやN-アセチルグルコサミンを含むヘテロ糖鎖は、細胞内の老廃物分解系であるオートファジーを促進する可能性があり、また腸内の善玉菌であるビフィズス菌の増殖を促進する作用を有するため、生体に良い影響を与え寿命の伸長効果が期待できる食品素材である。本研究課題では、畜産廃棄物であるブタ胃ムチンやチーズ生産における余剰産物であるホエイを原料に用いて、各種ビフィズス菌の酵素を作用させることでムチン型糖鎖の基部に存在するガラクト-N-ビオース(Galβ1-3GalNAc)を調製することを試みた。検討の過程で、胃ムチン糖鎖の中にラクト-N-ビオース(Galβ1-3GlcNAc)も存在することを明らかにした。またクロストリジウム属細菌の酵素を用いることで、胃ムチンからピロリ菌の増殖抑制効果が期待できるヘテロ2糖GlcNAcα1-4Galを調製することも可能になった。糖鎖非還元末端には血液型抗原をはじめとしたさまざまな糖鎖抗原が存在するが、これらを分解・除去するために必要なGH110 α-ガラクトシダーゼAgaBb(B型血液型物質に特異的に作用)、GH89 α-N-アセチルグルコサミニダーゼAgnB、Sda抗原に作用するGH123ドメインとGH33ドメインの両方をもつバイファンクショナル酵素SiaBb3などをクローニングして酵素学的諸性質を明らかにした。
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