卵の加工特性を特徴付けるオボアルブミンの凝集体形成やゲル化プロセスについては、これまで、オボアルブミン分子を球体で表した解像度の低いモデルで考察されてきたが、本研究では、X線結晶構造解析結果を活かして、凝集体形成時の本タンパク質の会合状態について、原子レベルの解像度で明らかにすることを目指した。凝集体形成の条件を検討し二量体三量体の単離を試みたが、X線結晶構造解析に適する結晶を得ることはできなかった。しかし、この過程で、本タンパク質のN末端領域が、会合に影響を及ぼすことと、本タンパク質表面に存在するセリン残基の存在状態が、本タンパク質の変性温度を大きく変化させることを見出した。
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