研究課題
本研究は生活習慣病予防を目的として、脂肪細胞の低酸素ストレス応答を評価し、食品成分による低酸素ストレス緩和指標とした抗生活習慣病作用を提案する。脂肪細胞を1%低酸素ストレス下で培養したところ、HIF-1α発現を指標とした低酸素応答が確認され、脂肪細胞は低酸素応答することが確認された。これに伴って、低酸素下では小胞体ストレスの誘導やアディポネクチンの産生、分泌低下が起こることが明らかとなった。アディポネクチンは抗糖尿病作用を有するアディポカインの一種であり、通常生体内では多量体として存在することが知られているが、多量体を形成するアディポネクチンの数によって活性が変化することが知られている。低酸素環境下ではアディポネクチンの中でも12量体以上の高分子多量体の産生が低下することが明らかとなった。また、食品成分として共役リノール酸やトコトリエノールによってこのような低酸素ストレス応答は緩和される傾向が認められた。さらに、アディポネクチンの産生を改善する食品成分として、ブルーベリー葉抽出物の有効性を確認し、アディポネクチンの多量体化を促すことも確認できた。さらに、本食品成分に関してはin vivoにおいてもインスリン抵抗性改善作用が確認された。本研究成果から、低酸素ストレスは脂肪細胞においてアディポカイン分泌バランスを破綻させることによって、糖尿病を始めとする生活習慣病に対する増悪因子となることが示された。
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