これまでに樹立したhuman TRPV1・TRPA1・TRPM8・TRPV3・TRPV4安定発現細胞を用いて、30数種の植物抽出物および精油についてアゴニスト活性ならびにアンタゴニスト活性を測定した。その結果、アゴニストとしては柑橘類から複数の化合物、香辛料1種から比較的高活性なTRPM8アゴニスト活性画分を見だしたが、TRPV3およびTRPV4に関しては活性抽出物および精油はみられなかった。柑橘精油ならびに香辛料1種の精油にhTRPM8阻害、香辛料2種の精油にhTRPV3阻害、香辛料3種精油にhTRPV4に対する比較的強い阻害活性が認められた。これらに含まれる主要成分で活性化および阻害の本体の解明を試みたが、いずれも活性化及び阻害活性は認められたものの、微量成分が活性本体である可能性が示唆された。これらの中でも現在、hTRPM8活性およびhTRPV4阻害活性の本体を生成しているところである。化合物の同定ができたら、昨年度確立した無麻酔でのマウス表皮温測定系にて、in vivoでの影響を検討する予定である。
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