本研究では、ビタミンE(VE)欠乏がグルココルチコイド(GC)分泌を増加させて不安行動を増加させる可能性を、CRF, ACTHによるGC分泌制御を中心に検討した。VE欠乏は急性および慢性ストレスによるGC分泌を増加させたが、CRF、ACTH投与による分泌促進を変化させなかった。合成GCであるデキサメタゾンはフィードバック阻害によりGC分泌を抑制し、GC投与は不安行動を増加させたが、これらの作用もVE欠乏の影響を受けなかった。したがって、VE欠乏は視床下部におけるストレス誘導性のCRF分泌促進、あるいはGCによる分泌抑制を低下させることにより、GC分泌を増加させるものと結論した。
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