• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

フィトエストロゲン代謝性腸内細菌の機能性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24580206
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

田村 基  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 上席研究員 (70353943)

研究分担者 中川 博之  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品安全研究領域, 主任研究員 (30308192)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードフィトエストロゲン / エストロゲン / ダイゼイン / エコール / エンテロラクトン / エンテロジオール / 腸内細菌
研究概要

24年度は、LC/MS/MSを用いたイソフラボン類の同時定量法を応用してイソフラボン類とリグナン類の同時定量法の検討を行い、ダイゼイン、エコール、ジヒドロダイゼイン等のイソフラボン類とセコイソラリシレジノールジグルコシド、セコイソラリシレジノール、エンテロジオール、エンテロラクトン等のリグナン類を同時に定量することができた。また、マウスに大豆イソフラボンの一つダイゼインと植物リグナンの一つアマリグナンを両方含む食餌をマウスに給餌した。マウスは各群7匹ずつとし、一方のマウスにはイソフラボン代謝菌の一つエコール産生菌を経口投与し、もう一方のマウスには対照群として生理食塩水を経口投与した。解剖一週間前にマウスを代謝ケージに移し、マウスの糞便を採取した。尿を採取し、尿にTypeH-5 β-グルクロニダーゼを含む0.2M 酢酸緩衝液を作用させて尿中イソフラボン類とリグナン類を脱抱合化し、酢酸エチルによる抽出を行い、尿中イソフラボン類とリグナン類濃度とをHPLCで測定した。飼育試験終了後マウスを解剖し、内臓脂肪重量、血漿脂質濃度を測定し、盲腸を採取し、T-RFLP法による分子生物学的手法を用いて盲腸内菌叢の構成を解析したところ、血漿トリグリセリド濃度や血漿総コレステロール濃度には違いが認められなかったものの、内臓脂肪重量は、エコール菌投与群で低い傾向が認められた。一方、尿へのエンテロジオール排泄量やジヒドロダイゼイン排泄量には、二群間で有意な差が認められなかった。しかし、尿へのエコール排泄量に関しては、エコール菌投与群は、生理食塩水投与群に比べて有意に高い結果となり、エコール菌は、ダイゼインと植物リグナンの両方を含む食餌を給餌したマウスのエコール産生性を向上させている可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、LC/MS/MSを用いたイソフラボン類とリグナン類とを同時に定量する方法を検討し、イソフラボン類とリグナン類とを同時に定量する方法を見出した。本年度の計画を達成することができた。取得できた定量法は、今後の研究遂行に寄与することが期待される。マウスにイソフラボンとリグナンの両方を含む試験食を一ヵ月間給餌して飼育し、イソフラボン代謝菌(エコール産生菌)投与群には嫌気培養したエコール産生菌を経口投与し、対照群には生理食塩水を経口投与したところ、エコール産生菌が、イソフラボンとリグナンの両方を含む食餌においてエコール産生を向上するといった新知見を得ることができた。以後の研究計画の中で得られた知見を活用すれば今後の研究が順調に進むことが予想される。

今後の研究の推進方策

マウスに大豆イソフラボンのダイゼインとリグナンの両方を含む試験食を一ヵ月間給餌して飼育した。このマウスの飼育期間中にエコール産生菌を投与した場合、エコール産生菌はリグナン共存下でもイソフラボン代謝に影響を及ぼすという結果を得た。今後は、大豆イソフラボンとリグナンとを両方含む食餌におけるリグナン代謝菌投与の影響を検討する。リグナンもイソフラボンもあまり高い濃度であるとマウスの摂食量に悪い影響が出る場合もあるため、動物試験においては、リグナンやイソフラボンの食餌に含まれる濃度を慎重に設定する必要がある。予備実験を行い、本計画遂行に最適な動物試験を行うようにする。

次年度の研究費の使用計画

本研究課題推進のため、次年度は、交付申請時の計画どおり使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 高脂肪食を給餌されたマウスに対するイソフラボン代謝活性の異なるヒトフローラの効果2013

    • 著者名/発表者名
      田村 基、平山 和宏
    • 学会等名
      日本無菌生物ノートバイオロジー学会総会
    • 発表場所
      フォーラム246 (神奈川県)
    • 年月日
      20130126-20130126
  • [図書] 食品機能性成分の吸収・代謝機構2013

    • 著者名/発表者名
      田村 基、平山 和宏、伊藤 喜久治 (他分担著者有)
    • 総ページ数
      230
    • 出版者
      シーエムシー出版

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi