研究課題/領域番号 |
24580214
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 秀夫 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (70126069)
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研究分担者 |
櫻井 倫 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (50451836)
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キーワード | バイオマス / チッパー / 全木集材 / 根株 / サプライチェーン / 焼却灰 |
研究概要 |
移動式小型チッパーが低価格であることから、作業能率が高くなくても全体のコストは既存の大型チッパーよりも低く(Journal of Forest Research)、複数台数を組み合わせることにより、チップの安定供給と雇用の創出を図ることができることを提示した(Croatian Journal of Forest Engineering)。根株掘り取りによるバイオマス利用に関して、タイ国ゴムプランテーションのデータをもとに、伐倒造材、根株掘削、GPSを用いた小型車両による運搬システムのサプライチェーンについてとりまとめを行い、根株利用を前提とする場合、ブルドーザによる伐倒方法が有利であることを示した(チェコおよびノルウェーの国際会議で発表。一部は東京大学演習林報告に印刷発表)。全木集材作業システムの構築を前年度に引き続き行い、ウィンチ作業についてノルウェーの国際学会で発表するとともに、急傾斜地の車両系と架線系の組み合わせ方式として、オーストリア製機械の調査を行った(福島県)。バイオマス利用施設で発生する焼却灰の林地還元に関して、東京大学秩父演習林で散布実験を行った。 本研究の最終目的は、木質バイオマスのサプライチェーン構築であるため、長野県根羽村でサプライチェーンの調査を行い、カナダで8月に開催されたバリューチェーンに関する国際会議(SSAFR)に発表するとともに、最終年度に向けてバイオマス発電施設の構想がある長野県下、群馬県渋川で聞き取りによる予備調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
移動式小型チッパーの生産性、コスト、有用性、安定供給と雇用創出に向けた提言を国際的な学会誌に2報発表し、タイ国ゴムプランテーションにおけるバイオマスサプライチェーンの研究成果をとりまとめ、東京大学演習林報告に一部印刷発表した。 26年度のサプライチェーン構築の取りまとめにむけた輸送システム、集荷圏確立に関しても長野県、群馬県等で予備調査を行い、研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
木質バイオマスサプライチェーンを構築する上で、前年度に引き続き、中間土場とチッピングの解析をすすめ、輸送システム、集荷圏確立に関して、具体的提案を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
経費節減に努め、成果とりまとめを全調査終了後に計画したため、次年度使用額が生じた。 データ整理等の文具費に使用する予定である。
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