研究課題/領域番号 |
24580217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 一清 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (40262430)
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研究分担者 |
山田 容三 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00166745)
近藤 稔 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (80153732)
井上 昭夫 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (80304202)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 航空機LiDAR / 樹種分類 / 数理モデル / 賦存量 / 簡易集材方法 / 布修羅 / 林内広葉樹 / 下層植生 |
研究概要 |
本研究では、これまで申請者らが開発を行ってきたALPP(Automated LiDAR data Processing Procedure)システムを基盤とし、航空機LiDAR観測による森林資源及び地形情報の把握から、それに基づく森林成長予測と最適林道配置予測による最適資源利用計画の作成までを一貫したシステムとして統合することにより、流域またはそれ以上の地域を対象とした早期森林資源利用診断システムの開発を目的とする。そのため、本年度は主として現地調査及び森林成長予測モデルの導出を目的として、主に以下の4項目について研究を実施した。 まず、1)現地調査においては、名古屋大学付属稲武フィールド及び近隣の中部森林管理局段戸国有林において調査プロットの設置及び林分調査を実施し、森林成長モデルの構築及びその検証に必要な調査データの蓄積を行った。次に、2)1)における現地調査結果と過去の航空機LiDAR観測データをもとにLiDARデータによる高精度かつ高解像度の樹種分類に有効な解析手法を検討し、これまで特に日本においては検討されてこなかったレーザーパルスの反射強度に関して、距離依存の強度変化を補正することにより樹種分類に有効な指標となり得ることを明らかにした。これにより、3)樹木や竹を対象として、賦存量ならびに資源量を評価するために導出した数理モデルを広域解析に展開するための基盤が構築できた。さらに、4)利用診断の基盤である集材法について検討するため、簡易集材法として有効であると考えられるスカイウッドシュートについて適正な架設を行うための4支点の張力条件としわの発生について実験により検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定どおり、調査プロットの設置及び現地調査は順調に進んでおり、またLiDARデータの分析及び森林成長モデルの構築においても順調に成果が出つつあり、現状のところ当初の計画どおりに研究が進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定どおり、以下の項目を重点的に実施する予定である。 1)現地調査:平成24年度に設置したプロット及び追加プロットを対象に現地調査を実施する。林分調査では、プロット内の全立木を対象に、胸高直径は直径テープにより、また樹高はレーザー測高機(TruePulse)により測定を行う。また、地形測量においては、コンパス、レーザー距離計、及びDGPS測量により、プロットの地理座標を算出する。なお、測定においては、平成24年度同様、森林調査の経験の豊富な大学院生に研究補助を依頼することにより、調査における安全及び作業の効率化を確保できるものと考えられる。 2)樹高ベースの林分成長予測モデルの検討:構築した森林成長モデルの推定値と林分調査結果の比較により、その推定精度について検証を行う。 3)最適林道配置推定モデルの検討:最新の研究論文のリサーチ及びこれまで蓄積してきた調査データをもとに、DEM及び樹高ベースの林分成長予測モデルを基盤とした最適林道配置推定モデルについて検討する。また、平成24年度の成果を応用し、集材方法についての検討も引き続き行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に関しては、現地調査及び成果発表に重点をおいた使用を計画している。必要な調査機材等は既に昨年度に購入済みであるため、現地調査機材の修繕や消耗品、および論文投稿のために必要な英文校閲等以外については、旅費を中心とした使用になると考えている。
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