研究課題/領域番号 |
24580217
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 一清 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (40262430)
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研究分担者 |
山田 容三 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00166745)
近藤 稔 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (80153732)
井上 昭夫 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (80304202)
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キーワード | 航空機LiDAR / 全天空写真 / 林内広葉樹 / 下層植生 / 相対照度 |
研究概要 |
本研究では、これまで申請者らが開発を行ってきたALPP(Automated LiDAR data Processing Procedure)システムを基盤とし、航空機LiDAR観測による森林資源及び地形情報の把握から、それに基づく森林成長予測と最適林道配置予測による最適資源利用計画の作成までを一貫したシステムとして統合することにより、流域またはそれ以上の地域を対象とした早期森林資源利用診断システムの開発を目的とする。そのため、本年度は主としてを本システムによる診断評価に関わる以下の3項目について主に研究を実施した。 1)診断評価の基礎となる樹種の判別において、航空機LiDAR観測データの反射強度の有効性と樹種判別に有効な補正方法について明らかにした。 2)診断評価の基準としての林内光環境について、航空機LiDARによる広域評価手法について明らかにするとともに、帯状伐採地における光環境の推定モデルを開発し、このモデルと航空機LiDARとを組み合わせた帯状伐採のガイドラインの作成方法についても検討した。 3)診断評価の基準としての林内下層植生について、航空機LiDARによる検証データ構築のため、名古屋大学付属稲武フィールド月ヵ平地区と近隣の中部森林管理局段戸国有林にお いて、樹齢の異なるスギ・ヒノキ人工林内の侵入広葉樹について樹種、密度、高さを測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定どおり、調査プロットの追加及び現地調査は順調に進んでおり、またLiDARデータの分析手法の開発においても順調に成果が出つつあり、現状のところ当初の計画どおりに研究が進展していると考えられる。、
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、以下の項目を重点的に実施する予定である。 1)現地調査:これまでに設置したプロットを対象に検証に必要な現地調査を実施する。なお、測定においては、平成25年度同様、森林調査の経験の豊富な大学院生に研究補助を依頼することにより、調査における安全及び作業の効率化を確保できるものと考えられる。 2)航空機LiDAR観測を実施し、これまで申請者らが開発を行ってきた早期森林資源利用診断システムの基盤であるALPP(Automated LiDAR data Processing Procedure)システムによる各種推定値の検証を行う。 3)共同研究者との議論の上、最終的に搭載すべき手法及び診断の基盤となる評価基準等について多面的に検討を行い、早期森林資源利用診断システムの完成を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画では数回の会議を行う予定であったが、当初予定よりも研究分担者が担当するモデル構築の部分に新たな展開が見られた。その成果の応用に向けた調査地等の追加のため、昨年度予定していた調査の一部を、実施内容も含め再検討したのち、今年度に検証測定として実施する方が効率的であると判断し、その検討会議及び調査の経費を繰り越した。 会議の旅費及び調査経費に使用する。
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